columnsコラム

2023/12/21

ダイハツ工業の問題

ダイハツ工業が車の安全性を確認する試験で不正をしていたことが内部告発でわかりニュースになっている。親会社のトヨタ自動車からの期待を受けて開発現場は過度な納期の短縮に動いた。調査にあたった第三者委員会の弁護士によれば、「不正が発生した大きな原因は、過度にタイトで硬直的な開発スケジュールの中で車両の開発が行われ、『認証試験は合格して当たり前』という強烈なプレッシャーがあったことだ」という。エアバッグという命を守る装置での不正は許しがたい。メーカーの責任は重い。それは言うまでもない。

それよりも問題にしたいのは、行政の側である。なんのための安全性の確認をする試験なのかを問いたい。30数年にわたり、不正が行われていたという。これで、「試験」をやっていたといえるのか。安全性を担保するために「不正」なことが行われないように試験をするのが当局の役目でないか。一体全体何のための「試験」だったのかと思う。まさか、日本の有名自動車メーカーが不正などするはずがないから、「試験」を行ったという形式さえ整えておけばいいということだったのでしょうか?

行政の施策は「性善説」を前提で考えてはいけない。「性悪説」を前提とした制度設計出なければならない。

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